【17.03.10】山内 益恵さん(弁護士・名古屋北法律事務挙千種事務所)

安心して子育てできる経済的社会的な基盤整備を――

 
 私が弁護士になったときに小1だった長男が、昨年の春、高校を卒業しました。

 この間、育児参加する父親が飛躍的に増えるなどよい変化もありましたが、解決されない問題も山積しています。私も入園のときに1年待ちましたが、保育園の待機児童問題は依然、解消されていません。介護も育児も、基本的には女性の仕事とされ、フルタイムで働けない女性が多いことも変わっていません。子どもの貧困は、シングルの親への国の施策の乏しいことが原因で、ますます増えてしまっています。

 今、私たちに必要なのは、安心して子育てできる経済的社会的な基盤整備なのです。
 それにもかかわらず、国が進めているのは、「家庭教育支援法案」。これは、親は子を、国に役立つ人、国や郷土を愛する人に育つよう教育しなさい、というものです。
 大阪市の学校法人が運営する幼稚園で、教育勅語を朗唱し、運動会で安保法制の国会通過をよかったですなどと選手宣誓していたことが話題になっていますが、これはまさに「家庭教育支援法」を先取りしたものなのではないかと思われてなりません。その先に何があるのか、不安は尽きません。

 先日、北区で開催されている、わいわい子ども食堂の見学に行ってきました。このような地域の活動に多くの方が賛同して人が集まり、また寄付が集まることに励まされます。
 そして子どもたちの笑顔には本当に癒やされます。自由にのびのび。子どもたちが無邪気に笑っていられる社会を作っていかねばならないと心から思います。

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