県革新懇ニュース−この人に聞く

【20.04.10】具ゆりさん(フラワーデモ名古屋呼びかけ人)−被害者によりそう#With Youの声を!

フラワーデモは共感しあう場 他人事ではなく自分のこととして

  具 ゆりさん

フラワーデモ名古屋呼びかけ人、フェミニストカウンセラー

駆けつけたい気持ち

 昨年4月11日、初めてのフラワーデモが東京で行われました。
 3月に性暴力の無罪判決が相次いだことを受け、抗議の声をあげよう、被害者によりそう#With Youの声をあげよう、その象徴として花をもって集まろうと作家の北原みのりさんらがよびかけました。SNSでの呼びかけに、450人以上が参加しました。私も駆けつけたい気持ちでいっぱいでした。

当事者が声をあげる

 私は、昨年の3月「韓国の#Me Too #With Youに触れる旅」というスタディツアーに参加しています。韓国の性暴力に関する法律、相談や支援の現場などを訪ね、学ぶことばかりでした。性暴力相談所、十代女性人権センターなど、法律も制度もとても充実しています。
日本の男女共同参画社会基本法がつくられた同時期に、韓国でもDV法や性暴力犯罪への取り組みが始まっています。なのに、この20年の日本と韓国の中身の違いは何なのだ、と衝撃を受けました。韓国はろうそく運動などに象徴されるように、社会運動の形態の積み重ねの違いがあると思います。私はこれまで足掛け30年、現場で20年あまり女性支援をやってきたけれど、なにをやっていたんだろうと思いました。
 そんな思いでいたので、北原さんの呼びかけを知ったときはガツンときました。「声をあげたな!」と。しかも参加者たちがマイクを持って自らの性被害を語り始めた様子をSNSで見て、大変衝撃でした。性暴力のことは、私たちも社会も、問題を見て見ぬふりをして、なかったことにして黙ってきたところがあります。
私は女性相談の場で当事者の方と会い相談支援をしてきましたが、カウンセリングという守秘義務のある場だから話ができたわけですから。

47都道府県でフラワーデモ――「私だって黙っていないよ!」

 1年前は自分がフラワーデモの呼びかけ人になるなんて想像もしていません。まさか、人前にたって路上でデモをするということは思ったこともありませんでした。
 昨年6月、名古屋のフラワーデモを決めたのは開催10日前です。誰かが声をあげるしかないと腹を固めましたね(笑)。
 1年で全国47都道府県で声があがり広がりました。フラワーデモでは、自分たちに「できることとできないこと」の柱をきちんと持つことを心がけました。話すことを決して強要しない、参加する人や当事者たちにとって安全な場であることに徹しました。
 フラワーデモがめざすのは、性暴力は許されないこと、被害が被害として認められることです。
 象徴的な4件の無罪判決が続きましたが、このことをメディアがとりあげてくれなかったらここまでのムーブメントは生まれなかったと思います。
 ここまで動いた要因に2017年5月に伊藤詩織さんが性被害を告発、その後、性犯罪に関する刑法が百十年ぶりに大幅改定されたこともあると思います。#MeTooの地殻変動が起きていると感じています。
 これまでも個人で闘っていた人はたくさんいるはずです。それがつぶされてきたのは社会的な大きな声にならなかったからでしょう。象徴的な4件の無罪判決が「私だって黙っていないよ!」という起爆剤になったような気がします。そこには#With Youがありました

素晴らしい逆転有罪判決

「一審破棄、懲役10年」と判決が出た瞬間にはみんなで顔を見合わせました。素晴らしい逆転有罪でした。
 原告にとっては控訴審の一年が本当に長い時間だったと思います。私たちが応援していることは「あなたは一人じゃないよ」という社会の声なんです。だから、報道でも広げてくれるし、ここ名古屋での私たちの役割だと思いました。
 報道で原告Aさんの手記を読んで、見ててくれたんだ、やってよかったと(涙)。
 フラワーデモは、共感し合う場です。他人事ではなく、私のこと、自分のことなんです。
 被害にあったことは無かったことにはできません。過去に縛られて今も苦しいことがあるかもしれないけど、だれも未来までこのままではいたくないのです。自分の未来を変えるためにもどう乗り越えていくのか、その作業の手助けになるのがフラワーデモの場であるとしたら、すごいことです。こういう方々と出会うことのできる場でもあります。
 名古屋の裁判では、被告が上告しました。ため息以外のなにものでもない。「お前、まだこの子を苦しめるつもりか」と愕然としましたが最高裁が突っ返すことを期待しています

「一緒に声をあげられる」その準備ができた

 今後は、必要があればいつでも集まれる。一緒に声をあげ、なかったことにしない、見てみぬふりをしないこともふくめて、1年かけてその準備ができたんだろうと思います。
 いま、冊子を作成中です。1周年の4月11日販売予定です。一年のフラワーデモのあゆみと記録で、これからの活動資金にもなります。

性犯罪刑法の改正を!

 今後は、性犯罪刑法の改正をきちんと見届けるということが役割だと思っています。
 実子への性犯罪ですら抗拒不能が問われ、ありえない無罪判決がでて、2審で逆転有罪となったことは、性犯罪がどう扱われているかという問題点を浮かび上がらせました。
 親だけでなく教師や親族などの性虐待や、暴行脅迫要件の撤廃、子どもの性虐待の時効をなくすこと、13歳の性交同意年齢の引き上げもと、課題ばかりです。 不同意性交のことも話題になるようになってきたし、刑法改正の見直しがどこまでできるかです。

予防教育 刑法の改正とともに車の両輪

 被害に遭っても、おかしいという感覚そのものをちゃんと持てるような教育がされていません。予防教育、性教育がされていない現状を変えていかなければと思います。
 同時に、フラワーデモで若い人たちがすごく声をあげている現状に、希望を持ちます。
 予防教育は刑法の改正とともに車の両輪です。
 自己尊重感のある人は、自分を守る力が育っています。怖くてNOと言えなくても誰かに言えればいい。こうした教育的な取り組みをもっと政治がやってほしいです。日本は民間の活動と努力にゆだねています。
 被害を被害として察知できること、それを予防するために何ができるかということに立って進めていかなければと思います。

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